カゴ台車の安全な積み方|フォークリフトで運搬するには?

souco編集部
カゴ台車の安全な積み方|フォークリフトで運搬するには?
(画像:iStock)

物流業界だけでなく、街中でも見かけるカゴ台車。スーパーで陳列棚として使用されているのを見かけたことのある人も多いのではないでしょうか。
3面を格子状の枠で囲われていることから荷崩れしにくく、運搬しやすいのが特徴です。便利なカゴ台車ですが、使用中の事故が多発しています。

この記事ではカゴ台車の基本操作や安全に扱うための注意点について解説します。

カゴ台車による事故に注意

カゴ台車による下記のような事故が多発しています。

1位:ロールボックスパレットの下敷き、転倒・転落
2位:足指、足、脚の激突・はさまれ
3位:キャスターによる足部負傷

1位の下敷き・転倒、転落は全体の41.4%を占めています。

また、ケガをした半数近くの方が作業経験1年未満であることから、未経験者への教育がケガの防止につながるといえます。

(参考)https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000098499.pdf

カゴ台車を安全に扱うための8つのルール

段差、傾斜のある場所での取扱い

段差や傾斜がある場所では、特に注意を払ってカゴ台車を運びましょう。

  • パワーゲートから降ろすときの傾斜
  • 歩道と車道の間の段差
  • 急斜面の道

など、至る所に事故につながる危険な場所があります。 万が一カゴ台車が倒れそうになった場合は、無理に倒れる方から支えるのではなく、倒れない方向に逃げるようにしましょう。

作業服、作業靴、保護具

安全に作業するために必要なアイテムとして下記3つが挙げられます。

作業服

擦り傷を防ぐために、汚れても良い長袖・長ズボンの着用が必要です。また、引っ掛からないようシャツやパンツの裾が出ないようにし、暗い場所で作業する際は明るい服を着用するようにしましょう。

夜間作業時は反射シールを貼るなども推奨されています。

作業靴

商品が落下した際の足のケガを防ぐために、安全靴やプロテクティブスニーカーを履いて作業しましょう。
プロテクティブスニーカーとは、一定の安全性や耐久性を備えつつ軽量で履きやすい作業靴です。安全靴より耐久性は劣りますが、軽作業の現場で使用する分には問題ありません。

また、スリッパやサンダル、ヒール靴の着用は避けましょう。

防護具(プロテクター)

手や指のケガを防ぐため、滑り止め加工のある軍手などを着用しましょう。また、足首やすねを守るためのプロテクターやヘルメットを着用し、衝突によるケガを事前に防ぎましょう。

カゴ台車の基本操作

遵守事項

  • 作業中の手の位置は肩から腰の高さを基準とし、必ず両手で作業する
  • 操作性を良くするために、両手で均等に力を入れて押す
  • カゴ台車の操作中は腕の力だけではなく、膝を曲げて脚力を使って操作する
  • 見通しの悪い場面では一時停止して周囲を確認し、走行時以外はキャスターに付いているストッパーを使用する

注意事項

  • 段差や傾斜のある場所では転倒に注意すること
  • 側面の幅が広いとカゴ台車と身体が接近するため、巻き込まれ事故や接触に注意すること
  • 使用前に必ず点検し、不具合が見つかった場合は修理依頼をすること

禁止事項

  • カゴ台車を素手で操作をしたり、足で蹴って押さない
  • 転倒の恐れがあるため、積載面には乗らない
  • 複数台連結して押さない

「押し」「引き」「よこ押し」

カゴ台車には「押し」「引き」「よこ押し」の3種類の操作方法があります。状況に応じて使い分けつつ、それぞれの方法のコツを覚えて、安全に作業しましょう。

押し

カゴ台車の基本操作で、人が後ろから押します。前向きに押すので、力も入りやすく、長距離の移動に向いています。

しかし、進行方向の見通しが悪いと、段差につまずいて転倒の恐れがあるので、スピードを出し過ぎずに押すことが重要です。また、方向転換には向いていません。
前方の見通しを確保するために、作業者の目の高さより高く荷物を載せないことがポイントです。

引き

カゴ台車の前に人が立って引いているため、第三者との接触の可能性が低いのが特徴です。また、狭い場所でも小回りが利くメリットがあります。

しかし、後ろ向きで引くため進行方向が見づらい上に足を動かしにくいのがデメリットです。そのため長距離移動に向いていません。
初動のみ引きで動かし、途中から押しか横押しに切り替えると良いでしょう。

横押し

カゴ台車の側面に立って、並走しながら押します。カゴ台車の重心の近い位置で操作するので、操作性や前方の見通しが良いのが特徴です。

しかし、開口部分に立つと荷崩れでケガをする恐れがあります。また、傾斜面での操作性が良くありません。
初動や停車時に力を入れづらいため、一定の速度が出たら横押しに変更するのがポイントです。

複数人での取扱い

遵守事項

  • 作業前に指揮者を決め、横押しで操作する
  • 倒れたカゴ台車を立て直す場合、キャスターが地面に設置した時にカゴ台車が動く可能性があるため、複数人でカゴ台車の側面を持って引き起こす

注意事項

人によって力の入れ具合が異なるため、お互いに声を掛け合って作業するようにしましょう。

荷物の積載

遵守事項

  • カゴ台車の最大積載量を確認したうえで、重いものは下部、軽いものは上部に積載する
  • 荷物のサイズが異なる場合は、中間棚を使用する
  • ピンで固定する中間棚の場合は全てのピンでロックする
  • 荷物を積む前に積載面と本体がロックされているか確認する
  • 移動時はサイドバーを装着する
  • 荷下ろしの際に外したサイドバーは他の物と接触しないように積載面側に収納する
  • ピン穴の塗装の剥がれやサビは取り除く

注意事項

中間棚をしっかり装着していないと、荷崩れを引き起こす可能性があるため注意しましょう。

禁止事項

  • 最大積載量を超えた積載はしない
  • カゴ台車から飛び出すほど荷物を乗せない
  • 荷物を立て掛けるなど側面パネルを圧迫するような積載はしない
  • カゴ台車や中間棚のピンが変形したまま使用しない

折りたたみ・組み立て・積み重ね

カゴ台車は折りたたむと倒れやすくなるため、組み立てた状態での操作が基本です。ただし、やむを得ず折りたたんだ状態で操作する場合は、必ず側面パネルの内側に入って押すようにしましょう。
折りたたんだカゴ台車を複数台保管する時は、強風や傾斜での転倒を防止するために平らな場所に置いてロープなどで固定してください。

また、L字型に折りたたむタイプのカゴ台車は、背面パネルの外側に転倒する可能性が高いため注意が必要です。

テールゲートリフターでの取扱い

基本事項として、昇降板の最大積載量を超えないよう注意しましょう。
また、転倒防止のために水平な場所で作業し、昇降板の下に入ってはいけません。

昇降板の昇降

  • テールゲートリフターの操作は、昇降板に乗らずに離れた場所で行う
  • 荷台と接地面に作業者を1人ずつ配置する

昇降板が荷台の高さにある場合

  • 荷台から昇降板へカゴ台車を移動する時は、昇降板のキャスターストッパーが出ていることを確認する
  • 昇降板の側面に落下防止用の枠がない場合は、落ちないように中央辺りで作業を行う

昇降板が接地面にある場合

事故防止のため、カゴ台車を接地面へ移動させる際は昇降板との段差に気をつけて操作しましょう。

(参考)https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11300000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu/0000098499.pdf(2022年12月時点)

カゴ台車をフォークリフトで運搬する方法

カゴ台車の運搬手順

  1. カゴ台車のサイズに合わせてフォークリフトの爪を広げておきます
  2. カゴ台車を折りたたみ『への字型』にします
  3. フォークリフトの爪が入るようにカゴ台車を重ねていきます
    (落下防止のためにベルトなどで巻く)
  4. フォークリフトの爪を上げます

カゴ台車を運搬する時のコツ

カゴ台車を重ねる際はズレのないようピッタリと合わせるのがポイントです。
また、フォークリフトの爪を上げる際は、先端が上になるよう傾斜をつけましょう。

トラックへのカゴ台車の積み方

トラックへ積み込む際の手順

  1. 周囲に人や物がないか確認
  2. トラック後部のテールゲートリフターを下げます
  3. カゴ台車を昇降板に乗せます
  4. キャスターストッパーを立ち上げて、カゴ台車が滑らないようにします
  5. 昇降スイッチを押して上昇させます
  6. 昇降板が荷台と同じ高さになってからカゴ台車をトラックに積み込みます

トラックからの積み下ろし手順

  1. 昇降板のキャスターストッパーを立ち上げます
  2. カゴ台車の背面を外側に向けて昇降板に乗せます
  3. カゴ台車のキャスターに付いているストッパーをロックします
  4. テールゲートリフターを下げます
  5. キャスターストッパーを倒します
  6. 車輪のストッパーを解除します
  7. 地面に降ろします

荷物が入ったカゴ台車は、常に手で支えた状態で運びましょう。

まとめ

カゴ台車は1度に多くの荷物を運べるマテハン機器です。物流施設に限らず、スーパーやホテル、ショッピングモールでも活用されています。多くの方が使用するものだからこそ、正しい取り扱い方法を学び、安全に操作するようにしましょう。

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記事の執筆者

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